サンタクロースの疑問をぶつけまくって親を困らせた子供時代 後編
前回の記事の通り、
僕はクリスマスにプレゼントをくれる
サンタクロース?というか
プレゼントをくれる謎の人物について
次々に疑問が湧き、
母にその疑問をぶつけまくって
困惑させていた。
子供ながらに童話の世界のような
サンタクロースは存在しないだろう
とは思っていたけど、
現実にプレゼントは届いている僕は、
プレゼントをくれる人が存在するのは
事実なので、その人物の事が
気になって気になって。
でも、正体はわからずとも、
子供達にプレゼントを配るなんて、
物凄く良い人なんだと感心したが、
そんなにたくさん子供達に
プレゼントを買って配るなんて、
お金が大変じゃないか?
クセのある子供だった僕は、
またすぐに現実的な疑問が浮かんできた。
何人の子供に配っているのか知らないけど、
その人のお金の事情は
どうなっているんだろう・・?
僕はまたまた母に
「ねぇ、サンタさんて
何でそんなにたくさんの子供達に
プレゼントを買ってあげられるの?
お金が大変じゃん」
そう言うと、母はまた少し困惑した様子で、
「だから・・クリスマス以外の時期に、
いっぱい稼いでいるんだよ」
そうなのかぁ・・
なんの仕事をしている人なのかは
知らないけど、クリスマス以外の時期に
頑張っているんだなぁ。
それにしても色々な子供達に配るなら、
もの凄い金額になるはずだ。
そう考えるとほんとにすごい人だ。
それにしてもいつも枕元に
プレゼントを置いていくけど、
その際に僕が目を覚まして
目撃したことはない。
特にその日はプレゼントが楽しみで、
僕もいつもより眠りが浅くて
ちょこちょこ目が覚めたりしているのに。
毎年の事だから1回くらいは
目撃してもいいくらいなのに、
不思議だなぁ。
謎が多いけど、現に毎年プレゼントは
ちゃんと届いているからまぁいいか。
と、疑いながらも
プレゼントはしっかりもらって
時が過ぎていった。
そのうちまただんだん
成長していくに連れ、
さらなる事実に気が付く。
相変わらず正体は不明だが
枕元にサッと置いて
すぐに出て行ってしまうのか、
いまだに目撃したことはないなぁ、
なんて考えていたとき、
ん?・・待てよ・・・
枕元に置いていく??
そういえば枕元に置いていくって
普通に考えてたけど・・
どこの誰だかわからない人が、
夜中に我が家に入ってくるって・・・
それって泥棒と一緒じゃん!!
人の家に勝手に入って来るって、
犯罪じゃん!!
もしその人が、子供にプレゼントを配る
良い人のフリをして、
実は泥棒だったらどうするんだ??
危ないじゃないか!
僕は慌てて母の所に行き、訊いてみた。
母はまたもや困惑しながら
「いや・・だから・・違うよ、
入っては来ないよ。
プレゼントは家のドアの前に
置いておいてくれるんだよ。
それを夜中に私達が取って、
お前たちの枕元に置いてるんだよ」
と、答えた。
なあーんだそうだったのか。
プレゼント自体は家の外に
置いて行ってくれて、
それを両親が取って
枕元に置いてくれていたのか。
それなら家の中に勝手に入ってこないから
犯罪ではないか。
もうこの頃は小学4年生くらいには
なっていただろうか、
そろそろ両親も、子供を騙せるのも
限界の年だろうと感じていたようだ。
もうサンタ(ということになっている)
からのプレゼントは
このくらいの年が最後だった。
それからだいぶ年月が過ぎ去った頃に、
やはりこの頃にプレゼントをくれたのは
父だったと、母に聞かされた。
やはりそうか、そうだよな、と、
当たり前の事に気が付く。
だけど、この時はそう思っても、
当時はなぜか、あそこまで次々に疑問が
湧いていたにもかかわらず、
自分の父親がプレゼントをくれていた、
という結論にならなかったのが
自分でも本当に不思議だ。
やはりそのへんは
子供であったということだろうか。
母には後々
「あの頃は、正体を秘密にするのが
大変だったんだよ・・」
「お前があまりにも
鋭い質問をぶつけてくるからさぁ・・」
と、だいぶ僕の質問攻めで
困らせていたらしい。
そりゃぁ、そうだ、
あんなに根掘り葉掘り質問攻めをされたら
かなり参るだろうなぁと、
自分でもほんとに思う。
でもそれなら最初から
クリスマスには父がプレゼントをくれる
でいいじゃないか、
と思い、母にそれを伝えてみると、
「でも、お父さんからもらうよりも、
サンタさんから貰うほうが
夢があって嬉しいんじゃないかと思ってね。」
と言われた。
そうだ、すべては僕らに
夢を与えるために仕組んでくれた芝居なのだ。
確かに嬉しかった。
もちろん不自然なことで
疑問が浮かびまくったけど、
プレゼント自体が届いていたのは
事実だったので、
毎年12月24日の夜は楽しみだった。
ちなみに兄は、僕みたいに
ひねくれた見方をしない子供だったので、
そういったサンタに関する質問などは
両親にいっさいしなかった。
ただ純粋に届いたプレゼントに喜んでいた。
僕だけが、現実的に考えて、
両親に質問をぶつけて困らせていたのだ。
母は僕が大人になってからも僕に、
「お前がもし結婚して子供ができたら、
同じように子供に夢を与えてあげるんだよ」
と何度となく言っていた。
そうだなぁ、確かに夢を与えてあげるのも
大事だよな。
わかったよ、お母さん。
もし子供ができたらそうするよ。
ただ、僕に似た性格の子供だったら、
当時の僕と同じように
サンタの正体について
僕に質問をぶつけてくるかもね(笑)
そうなったらバレずに
ごまかせる自信ないかも(笑)
でも僕はあの時のプレゼントは
本当に楽しみで、
そして本当に嬉しかったよ。
お父さんお母さんありがとね