1日1食(たまに0食)、気まぐれ断食男のブログ

日々食事は1日1食で、たまに0食という変わり者のブログです。思ったことを日々気まぐれに書いていきます。

思い出のチキンカツ定食 前編

昔ながらの定食屋さんというのは、

いまやだいぶ数が減ってしまった。

 

ましてや今は新型コロナウイルスの影響で

長期休業している店や、

あるいは店自体を辞めてしまった定食屋も

あるのではないだろうか。

 

おしゃれなレストランもいいが、

僕は昔ながらの定食屋が好きだ。

 

たぶん幼き頃の経験が

そうさせているのかもしれない。

 

定食屋といえば

僕には今でも忘れられない味がある。

 

 

話は小学生の頃に遡る。

 

当時近所の幼馴染のN家と、

家族ぐるみで付き合いをしていた。

 

N家の子供はちょうど僕ら兄弟と

同じくらいの年齢で、

幼稚園、学校行事など、

イベント事にはいつも一緒に行っていたし、

食事もちょくちょく一緒にしていた。

 

ある日いつものように

一緒に外食をしようと向こうから誘ってきた。

 

どこで食事をしようかと話していると、

とある地元の定食屋さんの事を言ってきた。

 

地元にある定食屋さんなのだが、

僕や僕の家族は

その店の存在を知らなかった。

 

聞けば小さな店だが、料理が美味しくて

N家の子供達もその店を

大変気に入っているとのこと。

 

 

「へぇー、そんなに美味しい店が

地元にあるなんて全然知らなかったなぁ」

 

なんて思いながら、

さっそくみんなでそのお店に向かった。

 

 

N家の家族に案内されて着いたそのお店は、

年季の入った

なんとも味のある古い佇まいの定食屋。

 

失礼ながら とんねるずの番組の

きたなトラン」に出てきそうな、

なんとも年季の入ったお店だった。

 

 

店の中に入ると、

中もなかなか味のある佇まいだ。

 

お店はおじいさんとおばあさんの

夫婦二人で切り盛りしているみたいで、

おそらく長い間営業を続けてきたのだろう。

 

 

このお店は定食屋さんなので、

メニューはだいたい一通りのものがある。

 

僕も何を食べようか迷っていると、

N家の子供が、ここに来るといつも

チキンカツ定食を食べるという。

 

 

なんでもチキンカツがとても美味しくて

必ずここに来ると食べたくなるし、

チキンカツは値段も安いので

毎回これを注文しているとのこと。

 

「へぇー、それなら僕も食べてみたいなぁ」

となり、僕も僕の家族もみんな

チキンカツを注文することにした。

 

厨房では店の主人であるおじいさんが

一人で作り始めた。

 

おばあさんが料理を運ぶ側なので、

厨房ではおじいさんがたった一人で

料理を作っているようだ。

 

ほんとに地元でありながら

その存在を知らなかったが、

見渡すと、ちょこちょこと

お客さんが入ってくる。

 

それなりに知られているお店らしい。

 

 

しばらくしてチキンカツ定食が運ばれてきた。

 

 

目の前に出されたチキンカツ定食は、

ごく普通のチキンカツ定食だった。

 

ご飯に、チキンカツ、

キャベツの千切りにトマト、

味噌汁にお新香。

 

気になったのは

小皿にケチャップが盛られて付いていたこと。

 

「チキンカツをケチャップで食べるの?」

と少々戸惑いながらも

さっそく食べてみる事にした。

 

 

最初の一口目を口にした時、衝撃が走った。

 

 

「柔らかい!めちゃくちゃ柔らかい!!」

 

 

ちょっと噛んだだけで噛み切れる、

というかコレ、歯がなくても噛み切れる。

 

なんだこの柔らかさは・・

 

それに衣がサックサクで

パン粉のパンの味もしっかり伝わり、

そして鶏肉の旨味も同時に感じられて、

物凄く美味しい!

 

そして半信半疑だった

ケチャップをつけて食べるのも正解だった。

 

この食べ方もうまいぞ、

こんな食べ方初めて知った。

 

とにかくチキンカツが美味しくて、

それをN家の家族に伝えると、

「なぁ、そうだろう」という顔をしていた。

 

これはN家が

チキンカツ定食にはまるのも納得だ。

 

こんな美味い料理を出す定食屋さんが

地元にあったとは。

 

たぶん店の佇まいが地味なので

みんな気が付かなくて

スルーしてしまっているのかもしれない。

 

食べた人だけがわかる、

知る人ぞ知るお店なのだろう。

 

僕はこのお店の存在に衝撃を受けた。

 

 

 

続く